平成23年8月31日UP
【はじめに】
「つぶやき岩の秘密」はNHK少年ドラマシリーズの一作として、1973年に製作・放映されました。当時の三浦半島の自然、風景が美しく描写されており、主要な舞台となった三戸浜近辺は40年近く経った2011年の時点でも、それほど風景は変わっていません。
当コンテンツは平成13年〜17年に渡り、五度試みたロケ地探訪の記録です。以前のホームページでは分散していましたが、リニューアルにあたって、主要ロケ場所毎にまとめて記載することに致しました(平成23年8月31日)。
ごく一部を除き、画像は当時の古いものを使用しています。解像度が低いのはまだダイヤルアップ時代でデータを重くできなかったためです。ご了承ください。
「つぶやき岩の秘密」殆どすべての場面が三浦半島で撮影されています。主要な舞台は、三戸浜に位置していますが、その他荒崎海岸、油壺、芦名(横須賀市)等少し離れた場所にもあります。(アクセス等は各ロケ地項目でご覧ください)
公共の交通機関(バス等)を使った場合、一日ですべてを廻るのは難しく、「三戸浜+他の一か所」くらいが適当かと思います。また、芦名(紫郎の小学校)は既に経て替わっているので、どうしても行きたいという方以外は省いても良いと思います。
ロケ地全体図(三浦半島) 三戸浜エリア(主要ロケ地)
ロケ地一覧 三戸浜エリア 三戸浜
■第4話・紫郎と志津子が亀さんと地下要塞に向かう浜
■第4話・紫郎と志津子が夕暮れ時に遊ぶ浜
■第1話・紫郎が遊ぶ磯神社 紫郎の家 地下要塞 亀さんの家 十字路 鵜の島 安が亡くなっていた浜 つぶやき岩 三戸の台地
■紫郎が白髭さんの別荘へ向かう坂道
■紫郎と小林先生が別れた道白髭さんの別荘 油壺 つぶやき岩対岸 荒崎海岸 入江 大楠小学校
(横須賀市芦名)紫郎の小学校
アクセス&注意事項 三戸浜エリア 京急三崎口から徒歩約30分。京急のホームページには「三戸海岸」行きのバスも掲載されていますが、一日一、二便程度、通学時間にあわせた運行になっており、ロケ地巡りには不向きです。
北の黒崎の鼻(地下要塞)から南の三戸の台地付近(つぶやき岩、白髭さんの別荘跡)まで、南北2キロ弱の距離があります。土地も高低の差があり、海岸沿いを歩くことになるので、靴はしっかりしたものを(スニーカー等では破れる可能性もあります)。
海岸沿いなので、足場の悪いところもあります。十分注意して個人の責任で訪問してください。
つぶやき岩は潮位の低い日の、干潮のときにしか行けません。以下のホームページ等で、潮位と干潮の時間帯を調べてから行ってください。
http://tide736.net/month/?y=2011&m=8&pc=14&hc=16&sw=calendar
潮が引いている時間もそれほど長くないので、つぶやき岩の滞在時間にも十分注意してください。油壺 京急三崎口から「油壺」行きバスで約15分。終点下車。
小網代湾側からは「つぶやき」岩が見えます。
「観潮荘」というホテルがあり、ここの大浴場(油壺温泉)の露天風呂からも見ることができます(日帰入浴可)。荒崎海岸 京急三崎口から「荒崎海岸」行きバスで約15分。終点下車。 大楠小学校
(横須賀市芦名)JR逗子駅又は、京急新逗子駅から 「佐島マリーナ入口」又「湘南佐島なぎさの丘」行き乗車します。「芦名」バス停下車。
京急三崎口方面から行くには、途中、長井バス停〜横須賀市民病院バス停の間で「JR逗子駅」行きに乗り換える必要があります。
どちらにしてもアクセスはあまり良くないし校舎も建て替わっているので、ロケ地巡りにはあまりお薦めはできません。
紫郎の家
ドラマの中でも印象深い「三浦紫郎の家」。浜からほど近い場所に位置し、どっしりした造りの母屋(築二百年)と蔵がありました。
母屋は残念ながら焼失し、経て替わっていますが、蔵はそのままです。
個人のお宅なので、場所は公開しませんが、第一話、紫郎が海から家に帰るシーンを良く見ていただければ、探し当てることはできると思います。(鵜の島を背に紫郎が海から帰ってきますね。現地に行かれたら、その位置関係を思い出してください)
第1話、紫郎が海から家に戻るシーンの場所
この道を手前に下ると紫郎の家があります
遠く鵜の島が見えます紫郎の家の前
行商にきた亀さんが
祖母・ぬいと話していた場所です
神社
三戸浜のほぼ中央に位置します。海岸沿いの道からも神社はわかります。紫郎が小林先生と境内を歩くシーンは印象深いですね。
神社の正面左手には、ドラマで使われた「地下トンネル」がありますが、中は小さな穴で実際にはトンネルはありません。
神社入口
本殿
境内(紫郎と小林先生が話していた) 本殿向かって左側奥の穴
(実際には小さな穴で、通路にはなっていません)亀さんがトラックを止めていた場所
隣の別荘風の建物(新潮社保養所)は、原作者の新田次郎が滞在していた建物で、「八甲田山」等はここで執筆されたそうです。「つぶやき岩の秘密」も当然このときの経験をもとにしています。
そこは、美しい環境に恵まれたところだった。シーズンオフだから静かで、海岸には漁師のほか誰もいなかった。散歩道は無数にあった。山には小鳥が多く、浜には光が散乱していた。(中略)
ここ(注・新潮社保養所)にはふじという日本犬がいた。利口な犬で、私はこの犬とともに朝と夕方の二回散歩にでかけた。地図で検討してだいたい五キロメートルの距離を歩いた。毎日、毎日新しいルートを発見するのが楽しみだった。
新田次郎『小説に書けなかった自伝』(新潮社)より新潮社保養所
亀さんの家
紫郎と志津子をうまく地下要塞に誘い込んだ亀さんでしたが、二人の不在を心配した小林先生と弟は、亀さんの自宅へ向かいます。二人の厳しい質問に亀さんがしどろもどろになって、軽トラック(三輪車!)で逃げるように出ていく場面に出てきた「亀さんの家」。驚くべきことに今も実在しています。建物リフォームされてきれいになっています。
こちらは現在住んでいる人はいないようなので、地図上に場所を示しています。三戸浜から少し上がった小高い場所にあります。
亀さんの家(リフォームされています)
ドラマでは家の前の庭に軽トラックがついていました亀さんの家 亀さんの家の前の道
(亀さんが軽トラックで逃げていった場所)亀さんの家がある丘
(三戸浜から丘に上がる途中にあります)
十字路
紫郎が学校から帰宅する場面、志津子が一緒に行こうとします。
こちらは、三戸の集落の北方の台地、黒崎原に位置します。十字路から下っていくと三戸浜に出ます。
十字路
地下要塞
三戸浜の北方から黒崎の鼻にかけての海岸に面した丘陵に、地下要塞があります。洞窟砲台として建設されたものです。
地下要塞には、三戸浜側から見て大きな入口が三か所あります。
(他にも小さな出入り口が何か所あるようです)
■地下要塞入口(1) 最も南に位置する入口です。紫郎・志津子・亀さんが地下要塞に入った所です。
■地下要塞入口(2) 丘の中腹にあるドーム型の入口。祖父・源蔵の回想シーンに登場
■地下要塞入口(3) 同じく丘の中腹にあるドーム型の入口。祖父・源蔵の回想シーンに登場
地下要塞入口(1) 地下要塞入口(1) 地下要塞入口(1) 地下要塞入口(2) 地下要塞入口(3) 地下要塞入口(3)
鵜の島
紫郎が「つぶやき岩」に向かう途中に見える島(というより岩礁)。ドラマ中、何度も登場します。
三戸浜から少し南の方にあります
鵜の島
安が亡くなっていた浜
第5話終盤からドラマのクライマックスに入りますが、安が浜で死体で発見されます。
この場所は、通称「エビカの浜」。三戸浜から南に進んだところにあります。
満潮のときは行きにくいので、十分注意してください。
(後述の白髭さんの別荘跡付近から浜へ降りていく道もあります。この道が、紫郎が「次に危ないのは白髭さんだ!」と駆け上がっていく道です。)
安が亡くなっていた浜 紫郎が白髭さんの家へ急いで
駆け上がる坂道
つぶやき岩
以前公開していたホームページでは、「謎」や「秘密」を残しておいた方が楽しいだろうということで、「つぶやき岩」の場所は公開していませんでした。しかし、当時から約十年経過したこともあり、場所を明示します。
三戸浜から南の方へ海岸を進むと、小網代湾の出口へ出て、正面には油壺が見えます。ここをから海岸は小網代方面に左に曲がったすぐの場所が「つぶやき岩」の洞窟です。ここが一般にはあまり知られにくいのは、通常は歩いていくことができず、水位が低い日の干潮の時間でないと歩いていけないからだと思います。
前述のように、訪れる方は、油壺付近の当日の水位と干潮時間を良く調べて、ピンポイントで訪問する必要があります。また、場所柄足場は悪いので、十分気をつけてください。
つぶやき岩
干潮のときに撮影したので、ドラマのように
海に面しているように見えません)つぶやき岩右側の岸壁
晴雄が登ろうとしたのはこのあたりです同じく岸壁部分 つぶやき岩内部から
岸壁部分には、撮影時に晴雄が打ち込んだハーケンが残っていました。
撮影時のハーケンが残っています
こちらは内部、金塊がj隠されていた場所です。つぶやき岩のすぐ右側の小さな洞窟で、外からも入れるし、つぶやき岩側ともつながっています。
つぶやき岩から金塊が隠されていた洞窟への入口 金塊が隠されていた場所
三戸の台地
紫郎が白髭さんの別荘を訪ねる場面で撮影された場所です。三戸浜から黒崎原の台地へ上る坂道。ドラマは2月頃撮影されたそうで、菜の花や雲雀の声が聞え、三戸の美しい自然が感じられたシーンでした。
紫郎が駆け登った坂道
台地を上ると、畑となり、海に沿って別荘が建てられています。
紫郎と小林先生が白髭さんを訪ねた後、紫郎が走り去る場面もこのあたりです。
畑と別荘 紫郎と小林先生が話していた道
この右手の先の方にに白髭さんの別荘がありました
白髭さんの別荘(跡)
三戸浜の南側、小高い台地上には畑が広がり、小網代湾に面した側(南側)に別荘街があります。その先の相模灘に面した側(東側・エビカの浜の真上あたり)に白髭さんの別荘がありました。平成15年当時くらいまでは、建物の一部が残っていましたが、現在ではほぼ倒壊、木々に覆われ近づくこともできない状態です。
ここでは、別荘跡からの眺め(ドラマでも同じようなアングルが見られます)と、当時の残っていた住居跡から往時の白髭さんの別荘を再現してみます。
別荘跡からの眺め(北方向) 別荘跡からの眺め(西方向) 別荘跡からの眺め(南方向)
白髭さんの別荘復元図です。
白髭さんの別荘は、三戸の台地と海岸の絶壁との斜面に建てられていました。
1階は、海側の半分が居室と風呂場、陸側は斜面に位置し2階部分の基礎となっています(階段部分を除く)。
2階は、北側に居室、南側に広いリビング・ダイニング・キッチンがありました。
玄関は1階にあり、入ってすぐ右手に階段があり、踊場にトイレがありました。
1階には、スチームのような配管が見られ、これで建物全体を暖房していたのではないかと思われます。
また、作りつけの二段ベッドが至るところに見られ、大人数での宿泊を想定して造られていたようです。
1階部分 2階部分
油壺(つぶやき岩対岸)
油壺は小網代湾をはさんで、「つぶやき岩」の対岸にあります。「つぶやき岩」だけでなく、小網代湾〜三戸浜が一望できる場所です。
油壺から見たつぶやき岩
入江(荒崎海岸)
紫郎が小舟を出す入江、このドラマのシンボル的な場面でもあります。
三戸浜から少し離れていますが、この場所は見ておいた方が良いと思います。
タイトルバックの場面「新田次郎原作」のテロップが
出てきそうです志津子小舟で漕ぎ出す紫郎を見ていたシーン
紫郎の小学校
紫郎の小学校は、三戸から少し離れた大楠小(横須賀市)で撮影されました。当時、三戸浜に近い初音小の校舎が焼失していたことも関係していると思います。
こちらは、既に校舎が鉄筋コンクリートに経て替わり、往時の面影は殆どありません。ただし、校門付近に「二宮金次郎像」が見えます。
↑ 正門前、少しだけドラマの面影があります
← 二宮金次郎像。校舎は建て替わりましたが、像は残っています
実施日(旧HPアップ日) 訪問したロケ場所 同伴した方
(HPがある方はリンクしています)第1回 平成13年10月31日
(11月29日)三戸浜、鵜の島近くの海岸、地下要塞、黒崎原、つぶやき岩の手前 単独行 第2回 平成14年4月15・16日
(4月29日)バス停、神社、農協、原作者(新田次郎)が滞在した建物、紫郎の家
紫郎と志津子が夕方話した海岸、十字路、つぶやき岩、入江、白髭さんの別荘単独行 第3回 平成15年1月13〜15日
(2月5日)入江、亀さんの家、紫郎の家、三戸浜、神社、鵜の島
、安が亡くなっていた海岸、三戸の台地、白髭さんの別荘
十字路、つぶやき岩(対岸から)、紫郎の小学校(単独行)gligo13さん、おさむパパさん親子
wind2southさん第4回 平成16年3月13日
(アップなし)亀さんの家、紫郎の家、地下要塞、十字路、さいかちの木
小林先生の下宿、安が亡くなっていた海岸、つぶやき岩、白髭さんの別荘coconeさん、ささきさん、まりさん 第5回 平成17年3月13日
(3月28日)入江、小林先生の下宿、白髭さんの別荘、つぶやき岩、三戸浜、神社
紫郎の家、亀さんの家、地下要塞、十字路SUGIさん
『つぶやき岩の秘密』の舞台については、coconeさんの「海風通信」のページに充実した情報が載せられています。是非こちらもご覧ください。
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